コラムVol.19 つみたてNISA、口座開設前に理解しておくべき点とは?

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目黒 政明 (めぐろ まさあき)
1983年、慶応義塾大学法学部卒業後、大和証券に入社。1987年、独立系FP会社に転職し、FPとしての活動を始める。1992年、MMIライフ&マネープランニングを設立。2002年、個人を対象に幅広くFPサービスを提供する生活設計塾クルーの取締役に就任。2010年、生活設計塾クルー代表取締役。資産運用アドバイスを専門とし、運用相談、新聞・雑誌等での原稿執筆、マネーセミナーの講師などを務めている。

2018年1月から、つみたてNISAがスタート

2017年度の税制改正により、2018年1月から新たに「つみたてNISA」がスタートします。実際に投資可能となるのは2018年1月からですが、口座開設の受付けは2017年10月から始まっています。

つみたてNISAでは、2018年から2037年までの20年間、毎年40万円を上限として、非課税で積立投資ができます。非課税期間は積立を行った年からそれぞれ最長20年間です。たとえば、2018年の積立分は2037年まで、2019年の積立分は2038年まで、非課税扱いで運用が継続できます。20年間、毎年40万円まで積立ができるので、累積で最高800万円まで非課税での積立投資が可能です。

つみたてNISAを利用する長期の資産形成は多くの人にお勧めしたいところですが、口座開設前にいくつか理解しておくべき留意点があります。

NISAとの選択制

つみたてNISAは20歳以上の個人であれば誰でも利用できますが、NISAとの選択制であり、同じ年に両者を併用することはできません。NISAからつみたてNISAへ、あるいは、つみたてNISAからNISAへ所定の手続きをとれば変更できますが、変更は暦年単位になります。

非課税で運用できる期間がNISAは5年、つみたてNISAは20年とそれぞれ違いますが、NISAでも積立投資は可能です。仮に2018年分のつみたてNISAの口座を開設すると、少なくとも2018年はNISAでの投資はできなくなります。NISAとつみたてNISAの違いを知って、どちらが自分に合っている制度なのかを理解しておく必要があります。

投資対象は株式投信等に限定

つみたてNISAでは、積立を行った後も長期にわたって保有し続けることが想定されているため、購入できる商品は、少額で投資可能な長期投資に適したものに限定されています。具体的には、一定の要件を満たした株式投資信託とETF(上場投資信託)に限られています。

投資の対象資産に必ず株式を含んでいる必要があり、外国債券やREIT(不動産投資信託)だけで運用されている投資信託は対象になりません(株式と債券、REITを組み合わせてバランス運用するタイプは投資可能です)。また、毎月分配型ファンドは長期の資産形成(積立投資)に適さないということで対象外であり、上場株式(個別銘柄)も対象外です。
NISAではこれらも投資可能なので、上場株式(個別銘柄)に直接投資したい場合や、毎月分配金を受け取りたい場合、あるいは債券だけ、REITだけで運用されている投資信託に投資したい場合などは、NISAを利用することになります。

積立式の投資に限られる

つみたてNISAは、文字通り、積立での投資(定期かつ継続的な方法による買付け)に限られており、対象銘柄を指定したうえで、「1ヵ月に1回、1万円ずつ」など定期的に一定金額の買付けを行う必要があります。このため、タイミングを捉えて、まとまった資金で投資するといったことはできません。一方、NISAは積立式の投資も可能であり、かつタイミングを捉えた投資も可能です。

つみたてNISAは年間非課税投資限度額が40万円ということもあり、退職金などまとまった資金での運用には、もともとあまり向いていません。数百万円程度の資金を数年かけて投資していきたいといった場合は、年間120万円まで投資できるNISAのほうが使い勝手が良いといえるでしょう。

現役世代の資産形成に有効な制度

こう見てくると、つみたてNISAは、1回でまとまった資金を投資することは難しいけれど、時間をかけて、ゆっくりと資産形成をしていきたいという現役世代に向いている制度だということが理解できます。

なお、積立を行った年から最長20年間、非課税扱いのまま保有を継続できますが、売却に制限はないので、いつでも自由に売却して現金化することができます。

「NISA」「つみたてNISA」の比較
「NISA」「つみたてNISA」の比較

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