コラムVol.12 個人型確定拠出年金(iDeCo)がほぼ誰でも加入できる制度に大変身

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松木 千賀子 (まつき ちかこ)
ジョージワシントン大学経営大学院卒業。外資系石油会社の企画分析部門にて主にアナリストとして従事。
個人のライフプランニングに興味を持ち、CFP資格を取得後、2003年、FPアソシエイツ&コンサルティング株式会社に入社。多くのリタイアメント層の顧客の担当として、投資信託の分析やポートフォリオ作成を行う。また、マネー誌やメルマガなどへの寄稿、金融機関社員向け研修や確定拠出年金制度導入企業の社員向け説明会の講師等の活動にも携わる。

加入対象者の範囲が大幅に拡大

個人型確定拠出年金(愛称:iDeCo)は、これまで加入対象者が自営業等の人と企業年金がない会社に勤める会社員に限られていました。さらに制度のPR不足などもあって、導入から15年経ちますが、加入者数は2016年11月末時点で30万人ほど(注1)と、企業型年金の588万人に比べてはるかに少ない状況となっています。

  • (注1) 厚生労働省年金局 確定拠出年金の施行状況より

これが法改正により、今年(2017年)から公務員や専業主婦などを含む、20歳〜60歳未満のほとんどの人が加入できるようになりました(注2)。国の年金財政がますます厳しくなっていく中、個人による年金づくりを後押しする制度として、iDeCoの一層の普及が進められています。

  • (注2) 企業型年金の加入者も規約に定めがあれば、iDeCoへの加入が可能です。(企業がマッチング拠出を実施している場合には、加入できません。)

iDeCoの掛金

確定拠出年金の掛金には下図のようにそれぞれ上限が定められています。iDeCo(ピンクの枠)の場合、限度額の範囲内であれば、5000円以上1000円単位で月々の掛金額を設定できます。現在は月単位で上限が決められていますが、来年(2018年1月)以降は年単位に変更されます。それにより、資金的に余裕のない月は少なめに、ボーナス月などは多めに、というように柔軟な拠出が可能になる予定です。

確定拠出年金の掛金の上限額(カッコ内は月額)
確定拠出年金の掛金の上限額(カッコ内は月額)
  • (注3) 国民年金基金と合算した額

iDeCoの掛金も、前回のコラムVol.7「企業型確定拠出年金をマッチング拠出でパワーアップ!」でご紹介した企業型年金のマッチング拠出の掛金同様、全額所得控除となり、所得税や住民税が軽減されます。ただし、あくまでもご自身で所得税・住民税を払っている場合に限られます。専業主婦(専業主夫)や扶養の範囲内で仕事をしている主婦(主夫)の場合には、残念ながら掛金を配偶者の所得から控除することはできません。とはいえ、iDeCoで運用を行えば、運用益は非課税、金融商品の購入時の手数料はほぼ無料など、通常の資産運用に比べて有利であることに違いありません。自分で年金を準備する手段としては、やはり有力な選択肢といえるでしょう。

運営管理機関選びは慎重に

iDeCoでは、加入者本人が運営管理機関の選定や口座管理にかかるコストを負担することになります。運営管理機関には、銀行、証券会社、保険会社などがあり、口座管理手数料や運用商品のラインナップは各社で異なります。

下表は、iDeCoに必要な手数料を示しています。運営管理機関(注4)によっては、残高が一定金額以上になると口座管理手数料が無料になるところなどもあるので、事前に確認しましょう。

iDeCoの手数料
iDeCoの手数料

また、iDeCoの主な運用商品である投資信託の信託報酬(運用中にかかるコスト)は、銘柄ごとに異なります。商品ラインナップの中に信託報酬が低めの投資信託が含まれているかもチェックしましょう。

一般に確定拠出年金での運用は長期にわたるため、口座管理手数料や信託報酬が高いほど、将来の年金資金が少なくなってしまいます。各社のウェブサイトや専用電話を活用して、事前に十分検討することが大切です。

ご留意事項

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