コラムVol.3 NISAの非課税メリットを実感しよう!

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目黒 政明 (めぐろ まさあき)
1983年、慶応義塾大学法学部卒業後、大和証券に入社。1987年、独立系FP会社に転職し、FPとしての活動を始める。1992年、MMIライフ&マネープランニングを設立。2002年、個人を対象に幅広くFPサービスを提供する生活設計塾クルーの取締役に就任。2010年、生活設計塾クルー代表取締役。資産運用アドバイスを専門とし、運用相談、新聞・雑誌等での原稿執筆、マネーセミナーの講師などを務めている。

貯蓄商品の金利はほぼゼロ%、NISAを使った投資の検討を!

日本銀行がマイナス金利政策の導入を決定したのは1月29日でしたが、2月以降、各種の金利が幅広く低下しました。現在は、一般向けの貯蓄商品のほとんどの金利がほぼゼロ%となっており、安全確実な商品だけで運用していると、ほとんどお金は増えません。このため、少しでも高い利回りで運用したい場合は、投資商品の活用が欠かせなくなっています。

投資商品としては、上場株式や公募株式投資信託などが代表的ですが、これらに非課税で投資できるのがNISA(少額投資非課税制度)です。運用益に税金がかからなければ、複利効果が高まり、効率的に資産を増やせます。また、税金というコストを減らせれば、課税口座より低めのリターンでも、手取りベースで同程度の収益が期待できます。

投資は、NISAの非課税枠をまず活用し、それ以上の金額の投資ができる場合は課税口座を利用するのが基本だといえます。ただし、NISAは年間投資上限額が設定されているため、それほどメリットが実感できない人もいるようです。そこで、今回はいくつかのケースを通して、NISAの非課税メリットを具体的に見ていきたいと思います。

非課税枠をフル活用した場合の非課税メリット

NISAは2014年1月にスタートしましたが、2014年と2015年は年間100万円まで、2016年から2023年までは年間120万円まで投資できます。それぞれ投資した年から最長5年間非課税で投資できます。

図表①は、制度スタート時の2014年から最終年の2023年まで、毎年年初にNISAの年間投資上限額まで投資し、それぞれ投資した年から最長5年間運用を継続、毎年5%のリターンが得られた場合の計算例です。課税口座では、運用益に対して所得税・復興特別所得税15.315%、住民税5%の計20.315%の税金が課せられるということで手取りの収益を計算しています。この例の場合、NISA口座で投資していたほうが累計で58万9,134円もお得になっています。より高い利回りで運用できれば、この差(=NISAの非課税メリット)はもっと大きくなります。

図表① 非課税枠をフル活用した場合の非課税メリット(収益率が年5%の場合)
非課税枠をフル活用した場合の非課税メリット(収益率が年5%の場合)
  • (注) 「非課税メリット」は所得税・復興特別所得税15.315%と住民税5%を別々に計算し、それぞれ1円未満の端数は切り捨てた合計額を示しています

複利で5年間運用した場合の非課税メリット

上の図表①の計算例は、毎年5%の収益を受け取るということで計算しています。たとえば、株式投資信託への投資例だとすると、毎年5%の収益をすべて分配金として受け取るといった場合の計算例です。

しかし、株式投資信託の中には、運用収益を分配せず、収益部分も運用に回して、複利で運用していくタイプもあります。この場合、収益部分も次の収益を生んでくれるので、お金の増え方はより大きくなります。

図表②は、100万円を年3%、5%、7%の収益率で1年複利で運用し、5年後に収益を一括で受け取った場合のNISA口座と課税口座の受取り金額の違い(=NISAの非課税メリット)を示したものです。課税口座では5年後の収益に対して、最後に1回だけ20.315%課税されるということで手取りの収益を計算しています。

たとえば、100万円投資して、毎年5%の収益を5年間受け取れば、年5万円×5年間でトータルの収益は25万円になりますが、1年複利で運用できれば5年後の収益は27万6,282円になります。お金の増え方が大きいほど、NISAの非課税メリットも大きくなります。

図表② 100万円を5年間1年複利で運用した場合の非課税メリット
100万円を5年間1年複利で運用した場合の非課税メリット
  • (注) 「非課税メリット」は所得税・復興特別所得税15.315%と住民税5%を別々に計算し、それぞれ1円未満の端数は切り捨てた合計額を示しています

毎月1万円ずつ積み立てる場合の非課税メリット

20歳代、30歳代など若い世代の場合、一般的に投資に回せる金額には限度があります。しかし、将来のために毎月1万円ずつ投資商品で積み立てるといったプランであれば、さほど無理なく多くの家計が実行可能だと思われます。

図表③は、毎月1万円ずつ非課税で積立が継続できるとした場合の非課税メリットをまとめたものです(NISAで新規で投資可能なのは2023年12月までですが、制度スタート時の2014年1月から積立を始めていると最長10年間の積立が可能です)。

毎月の積立額が2万円の場合は図表③に記載されている金額の倍、積立額が3万円の場合は3倍の金額になります。当然ですが、プラスの収益率を前提とすれば、積立期間が長くなるほど運用収益が大きくなるので、運用収益に対して税金がかからないNISAの非課税メリットの金額も大きくなります。

図表③ 毎月1万円を積み立てる場合の非課税メリット(〜年5%の収益率で積立ができた場合)
毎月1万円を積み立てる場合の非課税メリット(〜年5%の収益率で積立ができた場合)
  • (注1) 月初積立として計算しています。(例:積立期間が1年の場合だと、1月月初に1万円の積立、2月月初に1万円の積立と続け、12月月初に最後の1万円の積立を行い、12月末に全てを解約し、積立元本と収益を一括で受け取った場合の金額を計算しています)
  • (注2) 積立期間中に運用収益は一切支払われず、複利運用され、積立終了時に一括で受け取った場合の金額です。
  • (注3) 年率の収益率(5%)を12ヵ月で割った月利で1ヵ月複利で運用されるとした場合の金額です。
  • (注4) 「非課税メリット」は積立による収益を積立期間最終時点で一括で受け取ったときに20.315%の税金がかかるとした場合の税額です。
  • (注5) 「非課税メリット」は所得税・復興特別所得税15.315%と住民税5%を別々に計算し、それぞれ1円未満の端数は切り捨てた合計額を示しています。

ご留意事項

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